あつまっぺFKG(新潟県長岡市)

サロンの様子

「あつまっぺFKG」は、原発事故で福島県から長岡市に避難してこられた、小さいお子さんを育てているお母さんたちの交流の場です。お母さんたちが気兼ねなくくつろげる場であること、「あつまっぺ」という福島の方言を使うことで、より多くの方たちに参加して欲しいという思いを込めてお母さんたちと一緒に命名しました。

FKGは『FUKUSIMA GIRL』から語呂の良いアルファベットを採用したものです。

私達の支援対象者の多くは母子だけで長岡に避難されている方々です。前住所は双葉郡や南相馬市が大半を占めますが、それ以外の地域からも避難されています。

皆さんの悩みの一つが経済的な問題です。夫が残る福島と長岡での二重生活のために生活費が今まで以上にかかり、週末に家族が揃うための交通費も負担です。また、長岡市に避難してきて友人もなく、借り上げ住宅の中で引きこもりがちになれば、お母さんも子どもたちもストレスが溜まります。

サロンの様子

私たちは助産師として、福島の復興を担う子どもたちが健全に成長するためには、まず養育者であるお母さんを支援する必要があると考え、長岡市内で活動する開業助産師の有志で「ママたちのお茶会」を立ち上げました。育児相談・様々な情報提供・お母さんへの心身両面の支援を中心に、平成23年11月からサロン活動を始めています。これまでクリスマス会やおひな祭りなども企画し、皆さんに楽しんでいただいています。最近ではたくさんの笑顔がみられるようになり、お母さん同士の交流も増えてきました。

避難生活にあっても子どもたちは日々成長していきます。お母さんたちの育児不安や悩みもそれに伴い変化していくと思われます。私達は、交流の場を提供し、友人を作ること、不安や悩みを解決すること、この3本を柱に据えて、今後もできる限りの支援を続けて行きたいと考えています。

助産師 金子 珠美


長岡助産師会 ブログ

活動報告

2013.05.22 金子助産師が新潟県知事より表彰
金子助産師(左)が新潟県知事より表彰

長岡の”あつまっぺFKG”を主催する金子助産師が、県知事より表彰を受けました。 これまでの震災避難者への支援活動や、避難母子と地元母子を繋ぐ地域活動が認められました。 金子さんは、現在もサロン活動で母子の交流をはかりながら、震災時の備え講座も開いています。

【表彰にあたっての功績内容】
長岡地区助産師会として、福島県から避難した妊産婦をはじめとする長岡市内への避難者家族の支援に大きく貢献した。 また、東京里帰りプロジェクトに参画し、平成23年11月には県内初の避難者母親サロンを設立した。 平成24年には、避難者母子に加え、地元長岡の母親との交流活動に発展させ、子育てを支援する地域活動として多大なる功績を残している。